大堀相馬焼と雄勝硯がクロスして、
明日を照らす。そんな想いを込めました。

大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町(旧大堀村)で生産されていた焼き物です。

今から約300年前の元禄年間に、藩士・半谷休閑の下僕の佐馬によって創設され、最盛期の江戸末期には窯元の数も100戸を超えていました。特徴は、七貫青磁のような亀裂が入った「青ひび」と「二重焼き」、狩野流で描いた「走り駒」の絵にあります。
しかし浪江町は、あの東日本大震災で避難地域に指定されてしまいました。
震災前に約25戸あった窯元の中には、廃業を強いられた者もいます。
過酷な現実に向き合いながら、それでも前向きに立ち上がり、新しい土地に鎌を築くなどして伝統を守り、それぞれが変わらない想いを抱きつづけているのです。

一方、硯の原料として有名な雄勝石の歴史は室町時代までさかのぼり、約600年を越えるといわれています。黒石硬質粘板岩の特性である純黒色で、科学的作用や永い年月にも変質しない性質が。また近代では、東京駅の駅舎の改築にも使われたスレート材としても知られています。震災前には約4,300人が暮らしていた宮城県石巻市雄勝町は東日本大震災の震源に近く、大津波によって町の8割の建物が壊滅的な被害を受けました。現在の雄勝硯を取り巻く環境も、いまだ厳しいものがありますが、多くの人々の協力のもと生産を再開しています。

そんな東北の二つの町の出会いから、みんなの明日を照らす美しい器が生まれました。

はじめまして、「クロテラス」です。


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その製法は、雄勝硯に使われる雄勝石を砕いて釉薬にして、たっぷりと大堀相馬焼の土にかけます。これをじっくりと焼き上げることで、光沢のある「クロテラス」が仕上がるのです。ご家庭の食卓で、飲食店のテーブルで、どんな料理も美しく映えて、少し贅沢な気持ちになれる器です。

その名前は、雄勝硯の釉薬の特色の「黒」と「照」で、黒い光沢の美しさを表現しました。落ちついた黒は「クロテラス」独特のもの。その照り輝く光が、食卓の笑顔を照らし、みんなの明日を照らし、東北の未来を照らすように。 そんな想いを込めました。また、英語では「croterrace」と表記。 「 cross:交差する」と「terrace:テラス」をイメージさせ、この器をとおして、いろんな人が出会い、交差することを表わしています。

そして、この器を使っていただいている、雄勝町にある、こどもたちのための複合体験施設「モリウミアス」の気持ちいいテラスも感じさせます。 雄勝の美味しい海と山の幸を、楽しい体験を、この器を囲んで分かち合い、それを多くの人に共有していただく価値を提供できればと願っています。